☆繁盛するお店や会社を作る→繁盛店の作り方
次に「あなた」にやってもらいたいことは、繁盛するお店や会社を作って欲しいということです。
「繁盛するお店」「流行る(はやる)会社」をつくるにはどうすればよいのでしょうか。 次の3つの要素を考えて下さい。
1、よい製品とお客様をつなげる仕組み
2、売れる仕組みと売れるメニューの組み合わせ
3、顧客の利益と自社の利益を両立する仕組み
以上の3つの要素について「大丈夫。できています。」という人は、ここから先を読む必要はありません。
「わからない」という人だけ、一緒に考えていきましょうね。
一つ目の 1、よい製品とお客様をつなげる仕組み
ここで考えて頂きたいのは、「お客様によって求めることは異なる」という事実を頭に入れておいてください。つまり、あるお客様に通用する方法が、他のお客様に通用するとは限らないのです。
これは外を歩いていても、同じ人間であっても来ている服が一人一人違うように、それぞれのお客様が心の中で考えていることも一人一人違うのです。 ここで気が付いて欲しいのは「あなた」がイメージする「お客様の欲求」と「現実のお客様の欲求」には必ず「ズレ」があります。そのズレがお客様があなたのお店や会社を見たときに「不満」となって噴出しているわけなのです。
では、この「ズレ」をなくすためにはどうしたら良いのでしょうか。 簡単です。 あなた自身で「来てもらいたいお客様」と「来てもらいたくないお客様」を分けましょう、線引きしましょう。
具体的な例をご紹介します。
神戸市の元町に「トラッドカフェ」というお店があります。 このお店は「カフェ」なのですが、「コーヒー」はありません。「紅茶専門店」です。 そして、食べ物は「おひつごはん」です。「パン」はありません。「ごはん専門店」です。 カフェのいう響きからくる一般的なイメージとはかけはなれています。 通りすがりの人が「カフェ」という看板を見て、お店にはいるときに「コーヒーと紅茶」のどちらを注文すると思いますか?圧倒的にコーヒーの注文が多いです。 通りすがりの人が「カフェ」という看板を見て、お店にはいるときに「パンとごはん」のどちらを注文すると思いますか?圧倒的にパンの注文が多いです。 でも、トラッドカフェには「紅茶とごはん」しかないのです。 最初から注文して欲しくないものは「おかない・つくらない」という考えを徹底している店です。 ですから、なかにはお店に入ってきてから「えっ、コーヒーないの?。タバコもすえないの?じゃつ、いいよ。」と言って出ていったお客様もいたそうです。
でも、トラッドカフェの店長は方針を変えませんでした。
そして、今はお客さんが絶えない店となってます。 その理由は「サービスレベルの高さ」にあります。 ここで出す「紅茶」と「おひつごはん」のレベルの高さにあります。
そして、違う注文はありえないので、コーヒーやパンを注文する人は店内にいません。 私がさきほどご紹介した あなた自身で「来てもらいたいお客様」と「来てもらいたくないお客様」を分けましょう、線引きしましょう。
という線引きをしっかりと行っているお店だと思います。
ちなみに2011年8月17日に「トラッドカフェ」さんでお昼ご飯を食べました。 お店の外観は
となっています。
メニューは1種類で
となっています。
実際に目の前にした「本日のごはん」は
となっています。
右上にあるおひつが「おひつごはん」で
のようになっています。
とても、おいしかったです。 JR元町駅西口北側すぐの場所にありますので、お近くに寄った際には、「おいしいお昼ごはん」として召し上がってみてはいかがでしょうか。
次の例としてはハンバーガー店についてです。 マクドナルドというチェーン店がハンバーガー店としては有名ですね。 ハンバーガーのマクドナルドの本場のアメリカでは「わざとマクドナルドのお店の隣にお店を作って」成功しているチェーン店があります。 「インアンドアウト」というお店です。
http://www.in-n-out.com/ というHP(ホームページ)をご覧になるとお分かりだと思うのですが、このお店の特徴は「ハンバーガー店なのに平気で客を待たします。」ときには1時間近く待たします。そして、早くハンバーガーができるマクドナルドのお店の隣にあるのにお客様の流れがとぎれません。
その理由としては「こだわり」があります。マクドナルドもインアンドアウトもハンバーガーの値段は同じ位に安いです。でも、マクドナルドはあらかじめ本部で加工した商品を各店舗ではあたためてお客様にお出しする日本でもよくみかける態様なのに対してインアンドアウトはお客様から注文があって、はじめてハンバーグを焼きます。ハンバーグも各店舗でミンチから作ります。だから時間がかかります。
マクドナルドが注文してから1分位でできあがるのに対して、インアンドアウトは平気で何十分も待たせます。でも、お客さんは、目の前で自分が注文したハンバーガーが作られていくのをじっとみることができるわけです。時間がかかるかわりに「安心感」を得ることができます。最近「健康」志向が強くなっているアメリカだから成功している例だといえるでしょう。
このインアンドアウトいうハンバーガー店は「注文後に早くハンバーガーができることを望むお客様にはきてもらおうとは思っていない」という姿勢を徹底してつらぬいているチェーン店だと思います。
さきほどのトラッドカフェと同様に あなた自身で「来てもらいたいお客様」と「来てもらいたくないお客様」を分けましょう、線引きしましょう。 という線引きがしっかりしている例だということができますね。
「あなた」も、ここまでの例である程度わかってきたと思いますので再確認しましょう。
1、よい製品とお客様をつなげる仕組み
私がイメージしている「良い製品」とは、「あなたの考えがつまったオリジナル」の製品のことです。条件としては「種類は少なく(できれば1つで勝負して欲しい、たくさんの種類での勝負は大手に負ける)」「準備の時間はかける(大手にはできない内容で差を出す)」という内容をイメージしています。
お客様の前で時間をかけて製品を作って下さい。少しでも早く、少しでも安く、という競争では「大手」に太刀打ちできません。値段競争や時間競争では個人専門店や個人専門会社は勝てません。
お客様の「満足度」という心に響く「心のこもったサービス」がこれからの個人専門店や個人専門会社には必要だと私は考えています。 そして、宣伝費を掛けていくのではなく、「口コミ」であなたのサービスの良さが、次々と広がっていくという効果をねらってください。
これが私の考える「よい製品とお客様をつなげるしくみ」となります。
2、売れる仕組みと売れるメニューの組み合わせ
売れる仕組みと売れるメニューの組み合わせを効果的に実施している具体例として「成城石井」というお店をご紹介します。
http://www.seijoishii.co.jp/ というHP(ホームページ)の中身を色々とご覧になるとお分かりだと思うのですが、「成城石井」は価格は少々高めです。 難しい言葉で言えば、「経常利益」は普通のスーパーマーケットならば「0.5%〜3%」ぐらいだと思うのですが、今の成城石井の経常利益は6%を超えています。
これはお客様が商品を手にとって「少々高いわね。」と心の中でつぶやいたタイミングで「これは○○県のおばあちゃんがひとつひとつ丁寧にもぎ取って、ていねいにつめた▲▲なのです。他では手に入らない商品なのです。少々お値段は張りますが、それだけの価値がある商品なのです。」というような説明を全ての店員ができるように教育しているわけなのです。
売り込み(働きかけ)がなければお客様は動きません。 今の時代は「他とは違う何か」「ここでしか手に入らない良いもの」という「売れる状況」を作り出さなければお客様は動かないのです。
会話を通じた働きかけが大切なのです。 売れる理由を作り上げていく必要があるのです。 ですから、成城石井のPB商品は他の業者のPB商品とは逆に「付加価値を付けた高い値段設定」をしています。そしてその高い商品を徹底して売り切る戦略に徹しています。
2、売れる仕組みと売れるメニューの組み合わせ というものは「付加価値を付けた商品」という普通ならば売れないような物を売り切るために「会話を通じた働きかけ」で「売れる仕組み」にするという組み合わせです。
このためには「社員教育」の徹底はとても大切です。 社員教育のためには「クンリネス(掃除)・挨拶」というキーワードはとても大切です。 あなたがご覧になっているインターネットで「クンリネス」や「挨拶」というキーワードで検索をかければ「あなたに役立つ情報」がたくさん出ていることでしょう。
3、顧客の利益と自社の利益を両立する仕組み
顧客の利益とは「満足」してもらうことです。 具体例としては日本の「ファミリーレストラン」が出来た、そもそものきっかけは「お母さんが日曜日に料理を作らなくても良い。そんなにおいしくなくても、そこに行けばお母さんはくつろげる。」というコンセプトがスタートでした。
「家族がより仲良くなるための場」というコンセプトがファミリーレストランのスタートでした。 ですから、お父さんが普段接待などで食べている「高級料理」「高い食材を使ったおいしい料理」である必要はないのです。
お父さんは、お母さんが「ほっ、としてくつろげる。お母さんの機嫌が良くなる。家族の仲がより良くなる。」ことができれば料理の味などは二の次でよいのです。
これが「顧客の利益」で、この場合の「自社の利益」とは、そんなに料理がおいしくなくても、土地代が比較的安い郊外に家族で気軽に入れるきれいな透明なガラス張りの窓と家族が車で気軽に寄れる大きめの駐車場という「ハード面」さえきちんと最初に準備していれば、「ソフト面」つまり「材料原価」は低めに設定すれば良いのです。これが自社の利益となります。
逆に「料理に満足度」を求めるお客様の場合は、車でこなくても済むように「繁華街(駅近く)」に小さめの店で、材料原価を十分にかけて高品質の商品を提供すれば良いのです。日本の人は「牛肉、ステーキ、カニ」はいくら高くても本当においしければ食べに来ます。
料理の満足度を求めるお客様相手に勝負をかけようと思う人は「牛肉、ステーキ、カニ」の個人専門店をはじめるのが無難です。その際には、お値段は最低でも「1万円」はいただくようにしましょう。それくらいの値段設定ができないくらいならば、「他のお店との差別化」ができませんので、最初からやめたほうが良いでしょう。料理に満足度を求める「顧客の利益」を考えるときの「自社の利益」とは、薄利多売の逆の「高品質のものを少しずつ提供する。つまり希少価値を高める。」が自社の利益となります。
何でも良いのですが、「あなた」が何かの事業をはじめようとする前に 1、よい製品とお客様をつなげる仕組み 2、売れる仕組みと売れるメニューの組み合わせ
3、顧客の利益と自社の利益を両立する仕組み を「あなた」自身で、よくよく考えて下さいね。
以上、繁盛するお店や会社を作るときのポイントをご紹介しました。 何気ないことですが、他の店と同じことをやっていても「成功」しません。 「何か違う」というあなた独自のものを考えに考え抜いて下さい。 そして、どの業種でもスタートしてから3年で7割が撤退するのが現実です。 実際にお金を掛ける前に色々な人の意見を聴いて下さい。 事業を始めた後での修正には何百万円もかかりますが、はじめる前の修正ならば何万円で済むことも多いものです。 時間を掛けて考え抜くことを「あなた」につよくおすすめします。。
ここまで長々とお付き合いいただきまして本当にありがとうございました。
また逢う日までごきげんよう。
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